座談会御書

四条金吾殿御返事(世雄御書)の7月度座談会御書講義(2022年)と池田先生の指導

弟子の勝利が師匠の勝利、三世永遠に輝く実践を今こそ。日蓮大聖人が四条金吾のことを絶えず祈っているのは、彼が「法華経の命を継ぐ人」であると仰せです。このことの真意を、2022年7月度の座談会拝読御書、「四条金吾殿御返事(世雄御書)」から学んでいきましょう。

2022年7月度の座談会拝読御書は、「四条金吾殿御返事(世雄御書)」です。

この記事では、拝読範囲の研鑽や講義のために、御文の通解や仏法用語及び池田先生の指導などを紹介しながら、重要なポイントをおさえるようにしています。

また、座談会拝読御書は、大百蓮華に掲載されるほかに、観点を変えた解説が「聖教新聞」にも掲載されますので、その掲載日もお知らせしています。

座談会御書「四条金吾殿御返事(世雄御書)」2022年7月度の背景と大意

今回拝読する座談会御書「四条金吾殿御返事(世雄御書)」の概要について述べます。

日蓮大聖人が著された時期(年代):建治3年(1277年)7月または8月。

本抄を与えられた人物:四条金吾。

本抄の背景や大意など

御書を与えられた時の四条金吾の置かれた状況の経緯は以下の通りとなります。

文永11年(1274年)▼

  1. 金吾が主君の江間氏を折伏する。
  2. 江間氏に疎まれ、同僚からの讒言・中傷が激化する。
  3. 江間氏は金吾に領地替えを命ずる。

建治3年(1277年)6月:桑ヶ谷問答にて▼

  • 大聖人の弟子・三位房が竜象房を破る。
  • 竜象房の後ろ盾の極楽寺良観が、法論の場に武装・乱入と讒言する。

江間氏が金吾に、法華経を捨てる誓約書を書くよう命じ迫る。さもなくば、所領没収と迫る。

以上の現況報告を、金吾から受けた大聖人が、金吾に認められたのが、今回拝読する「四条金吾殿御返事(世雄御書)」です。この御書での大聖人の仰せは、概要、以下のとおりです。

  • 仏法を用いた善政は栄え背けば滅んだ史実を紹介。
  • 門下といえど、仏法に背けば滅ぶ。
  • 法華経を捨てる誓約書は断じて書いてはならない。
  • 信心を貫けば、道理として、全てに勝利すると断言

そして、今回の拝読部分は、この最後の部分で、温かな励ましで締めくくられています。

の2022年7月度座談会御書の講義と研鑽

今回拝読する座談会御書「四条金吾殿御返事(世雄御書)」の拝読範囲は

  • 御書新版 1590ページ14行目~15行目
  • 御書全集 1169ページ8行目~9行目

四条金吾殿御返事(世雄御書)の拝読範囲の本文

日蓮は少きより今生のいのりなし。ただ仏にならんとおもうばかりなり。されども、殿の御事をば、ひまなく法華経・釈迦仏・日天に申すなり。その故は、法華経の命を継ぐ人なればと思うなり。(御書新版 1590ページ14行目~15行目より引用)

四条金吾殿御返事(世雄御書)の拝読範囲の通解

日蓮は若い時から今生の栄えを祈ったことはない。ただ仏になろうと思い願うだけである。
しかし、あなた(四条金吾)のことは、絶えず法華経、釈迦仏、日天子に祈っているのである。それは、あなたが法華経の命を継ぐ人だと思うからである。

四条金吾殿御返事(世雄御書)の重要な御文と語句

日天」とは何かーー。

太陽を神格化したもので、日天子のこと。法華経の会座に連なった諸天善神で、妙法を持つ人を守護する働きがある。

講義のポイントと解説

拝読範囲の御文は、苦境に立つ弟子を、日蓮大聖人が心を込めて励まされている一節です。

大聖人には、今生の栄誉や栄達のための祈りは全くなく、ただ仏法を会得し仏になって一切衆生を救いたいとの祈りのみであったと仰せです。

その大聖人が、金吾のことを、絶えず祈っている理由として、金吾が「法華経の命を継ぐ人なれば」と仰せです。

次ぐべき「法華経の命」とは、「万人を幸福に導かんとする大聖人の誓願」に他なりません。

忍難弘通のお姿を示されて「法華弘通の大誓願」を貫かれた大聖人こそ、「法華経の命」を蘇らせた師匠です。この師匠に繋がり、自身もまた「法華経の命を継ぐ人」となっていくこと。また、「法華経の命を継ぐ人」を育て、増やしていくことが肝心です。

四条金吾は大聖人の仰せどおりに信心を貫き、やがて、主君の信用を取り戻し、没収どころか、所領を倍増されるという大勝利の姿を示していきます。

今回の拝読を機に、今一層の未来部や青年部の育成と成長を期して参りましょう。

2022年7月度の座談会拝読御書講義の聖教新聞掲載日

2022年7月度の座談会拝読御書の講義については、【7月5日付け】の聖教新聞にも解説などが掲載されています。

聖教新聞の「四条金吾殿御返事(世雄御書)」の御書講義では、以下の項目が示されています。

  • [池田先生の指針から]妙法の「師弟の道」を
  • 信心を貫き通し幸福勝利の人生に[キーワード①]大願に生き抜く
  • 信心を貫き通し幸福勝利の人生に[キーワード②]皆が“宝の存在”

印象に残った先生の指導を以下に抜粋してみました。

◆手作りで「法華経の命を継ぐ人」を育てていくのである。

◆この広布に生き抜く創価の師弟こそ、永遠の栄光と福徳に包まれる、生命の大勝利者なのである。

◆目先の毀誉褒貶にとらわれず、師と同じ広宣流布の大願に立つならば、自身の悩みや願いなど「今生のいのり」も全て包み込むように叶えていくことができる――。

「四条金吾殿御返事(世雄御書)」での池田先生の指導及び所感・感想・決意

池田先生は、大聖人が四条金吾のことを絶えず祈っていらっしゃるのは、弟子の幸福を祈るのは当然として、「法華経の流れを絶やさず、法華経の功力を継承させていくためである」と言われています。

「法華経の命を継ぐ人」の出現は、師匠の勝利です。弟子は、師匠の思いを受け止めえ師弟不二の信心で勝利していくのです。

「信心を貫けば、道理として、全てに勝利すると断言」された大聖人。その確信をどこまで我がものとして実践していけるか。ここに全てがかかっていると銘記したく思います。

以降は、その他の池田先生の関連する指導です。

広宣流布大誓堂 落慶記念勤行会(2013年11月8日)への池田先生のメッセージ

「広宣流布の大願」と「仏界の生命」とは一体です。だからこそ――この誓いに生き抜く時、人は最も尊く、最も強く、最も大きくなれる。
この誓いを貫く時、仏の勇気、仏の智慧、仏の慈悲が限りなく湧き出でてくる。
この誓いに徹し切る時、どんな悩みも変毒為薬し、宿命をも使命へと転じていける。
(聖教新聞2013年11月9日付より引用)

世界を照らす太陽の仏法 第39回

本格的な世界広布新時代に入り、未来部・青年部の育成は、ますます重要になっています。若き地涌の生命こそ、太陽の仏法で世界を照らし、平和と共生の次代を創りゆく“未来の光源”だからです。
(「大白蓮華2018年7月号」34ページより引用)

【関連記事】2022年7月度の座談会御書「四条金吾殿御返事(世雄御書)」の講義

大百蓮華掲載の2022年7月度の座談会御書「四条金吾殿御返事(世雄御書)」の講義について、池田先生の御指導をふまえつつまとめてみました。以下にご紹介しているのは、過去の座談会御書の記事です。