介護職員の研修と報告書

ノーマライゼーション(介護における尊厳の保持・自立支援)【初任者研修模擬問題】

介護における尊厳の保持・自立支援のカリキュラムから、ノーマライゼーションに関する介護職員初任者研修修了試験の模擬問題と正解(解答)及び補足事項を記したページです。

ノーマライゼーションに関する次の記述のうち、正しくないものを一つ選びなさい。

  1. ノーマライゼーションとは、障害の有無に関わらず、誰でも参加することができ、普通に暮らせる社会を目指すという意味である。
  2. ノーマライゼーションの理念は、デンマークのバンク・ミケルセンによってはじめて提唱された。
  3. アメリカのADA法(障害をもつアメリカ人法)は、ノーマライゼーションの考え方が発展し制定されたものである。
  4. 障害児教育の分野では、ノーマライゼーションの理念に基づき積極的にインテグレーションの考え方が用いられている。
  5. 高齢者介護においては、地域社会でさまざまな人々と関わりながら、また少人数の規模で生活することが、ノーマライゼーションの理念を具現化したものである。

正解:4

「障害児教育の分野では、ノーマライゼーションの理念に基づき積極的にインテグレーションの考え方が用いられている」は誤り。過去には、普通の学校や学級に統合するインテグレーション(統合教育)が進められたが、現在はインクルージョン(包括教育)の考え方に変化している。

ノーマライゼーションの問題の正しいものの補足

  • ノーマライゼーションとは、障害の有無に関わらず、誰でも参加することができ、普通に暮らせる社会を目指すという意味である。
    障害者だけでなく弱い立場にある人がさまざまな理由で差別されることなく、住み慣れた地域社会のなかでその人らしく安定した暮らしができるよう、環境や支援を整えるという考え方である。
  • ノーマライゼーションの理念は、デンマークのバンク・ミケルセンによってはじめて提唱された。
    この理念は、スウェーデンのニィリエによって引き継がれ、具体的な政策の方針を明確化した。
  • アメリカのADA法(障害をもつアメリカ人法)は、ノーマライゼーションの考え方が発展し制定されたものである。
    アメリカやカナダではウオルフェンスバーガーによってノーマライゼーションの理念は発展し、身体障害者の自立生活保障分野でADA法制定へと結びついた。
  • 高齢者介護においては、地域社会でさまざまな人々と関わりながら、また少人数の規模で生活することが、ノーマライゼーションの理念を具現化したものである。
    人間らしく、またその人らしく生きるというノーマライゼーションの理念を実現するには、巨大施設において画一的な支援を受ける生活では難しいといえる。

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