介護職員の研修と報告書

衣服の役割や衣服を選ぶときの配慮(心と体のしくみと生活支援技術)【初任者研修模擬問題】

こころとからだのしくみと生活支援技術のカリキュラムから、衣服の役割や衣服を選ぶときの配慮に関する介護職員初任者研修修了試験の模擬問題と正解(解答)、及び、補足事項を記しています。

衣服の役割や衣服を選ぶときの配慮に関する次の記述のうち、適切なものを一つ選びなさい。

  1. 衣服は、外部からの刺激から皮膚を守る保護的機能があるが、発汗や皮脂を閉じ込めてしまうため、衛生的機能としては低い。
  2. 衣服は自分らしさを表現する最も身近なツールであるため、所属する集団の規範や慣習により定められた衣服を着ることは控えたい。
  3. からだの動きを妨げないために、からだより大きめのサイズの衣服を選ぶ。
  4. まひや拘縮のため更衣が自分で行えない場合は、自力で行えるように衣服に工夫を加える。
  5. 季節や時間の感覚がない認知症の人の場合、刺激を与えないように年中できるだけ同じ衣服を選ぶ。

正解:4

「まひや拘縮のため更衣が自分で行えない場合は、自力で行えるように衣服に工夫を加える」は、適切なので正しい(正解)。衣服に工夫があると、残された健側による更衣ができ、残存能力の維持・向上につながる。

衣服の役割や衣服を選ぶときの配慮に関する模擬問題の【適切】”でない”ものの補足

  • 「衣服は、外部からの刺激から皮膚を守る保護的機能があるが、発汗や皮脂を閉じ込めてしまうため、衛生的機能としては低い」は適切ではない。発汗や皮脂など体内からの分泌物などを吸収して、皮膚の清潔を保持する役割がある。
  • 「衣服は自分らしさを表現する最も身近なツールであるため、所属する集団の規範や慣習により定められた衣服を着ることは控えたい」は適切ではない。衣服には、個性の表現だけでなく、社会生活への適応という役割もあり、所属する集団の規範や慣習に見あった衣服を着ることも大切である。
  • 「からだの動きを妨げないために、からだより大きめのサイズの衣服を選ぶ」は適切ではない。衣服を選ぶときには、からだにあったサイズで、伸縮性があり機能的な素材のものを選ぶ。
  • 「季節や時間の感覚がない認知症の人の場合、刺激を与えないように年中できるだけ同じ衣服を選ぶ」は適切ではない。季節感や時間の感覚を呼び起こすために、季節にあった衣服を選ぶようにする。

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