介護職員の研修と報告書

認知症ケア(老化の理解)【初任者研修模擬問題】

認知症の理解のカリキュラムから、認知症ケアに関する介護職員初任者研修修了試験の模擬問題と正解(解答)、及び、補足事項を記しています。

認知症ケアに関する次の記述のうち、適切でない ものを一つ選びなさい。

  1. 認知症ケアでは、認知症の人が不安や不便を感じないように生活を支援してくことが求められる。
  2. 認知症の人の気持ちや行動を理解していくためには、その人の思いに対して一定の距離をとりながら客観的に関わることが重要である。
  3. 認知症の人の気持ちや行動を理解していくためには、その人の生きてきた歴史を含め、全人的な興味をもって関わることが必要である。
  4. 認知症ケアでは、認知症の人のうれしい、悲しいといった感情的な機能面を理解していることが重要である。
  5. 認知症の人は何もわからないといった介護者の誤った判断や態度が、介護を拒絶する「介護への抵抗」の原因になることもある。

正解:2

「認知症の人の気持ちや行動を理解していくためには、その人の思いに対して一定の距離をとりながら客観的に関わることが重要である」は適切ではない。認知症の人の気持ちや行動を理解していくためには、その人の思いに対して共感的に関わることが重要である。

認知症ケアに関する模擬問題の【適切なもの】の補足

  • 「認知症ケアでは、認知症の人が不安や不便を感じないように生活を支援してくことが求められる」は適切である。認知症ケアにおいては、本人主体の介護サービスを提供するにあたって、その人自身の有する力を発揮し、その人なりの生活、人生を送っていくことを支える視点が重要となる。
  • 認知症の人の気持ちや行動を理解していくためには、その人の生きてきた歴史を含め、全人的な興味をもって関わることが必要である」は適切である。長い人生を過ごしてきた認知症の人にとってみれば認知症という状態もその人の一部分にすぎず、全人的な興味をもって関わることが必要である。
  • 認知症ケアでは、認知症の人のうれしい、悲しいといった感情的な機能面を理解していることが重要である」は適切である。認知症のため理由をはっきりとは説明できなかったとしても「感情的な機能面」は比較的保持しているといわれている。
  • 認知症の人は何もわからないといった介護者の誤った判断や態度が、介護を拒絶する「介護への抵抗」の原因になることもある」は適切である。認知症の人の場合、強要や押し付けなどに対して、「介護への抵抗」「暴力・暴言」といった方法で、拒否の意思表示をすることもある。

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